窯 元


第十三代 高取八仙

              

高取は綺麗寂の焼物と云われ遠州好みの物が造られて来た。
元より唐物写し茶入として名高い窯である。その中で侘寂のある、やわらかくあたたか味のある掛分茶盌。釉薬が左右に掛け分けられ光沢のない深みのある仕上がりになっている。
高取焼は、小堀遠州好み物、唐物写しで有名である。実際に唐物に紛れているものがあったと言い伝えられている。粘土をより高度に精製し釉も美しく、轆轤の技術も高く薄造りで蚊来る左糸切りですばらしい作行である。
典型的な遠州の綺麗寂び調で縁造りが薄く、釉が美しくなだれも景色よく流れている。
400年の歴史の中、遠州七窯の一つ13代を受け持つ者として、茶道具として現代に通じ、しかも古き良さを再現し、人々が心豊かに毎日が過せますよう物造りにはげんでいます。(八仙)


後継 高取 忍

小堀遠州という名を聞かれると、庭園や茶室を思い浮かべる方も居られると思いますが、高取焼も翁の指導により江戸初期から続いて来ている窯です。
私は翁の多岐に亘る感性にとても惹かれております。作陶の時はいつも「翁ならどんな感覚でこれを捉えるのかな?」と考えながらロクロに向かっています。
「綺麗寂(きれいさび)」と言う境地に向かい精進して参ります。未だ未だ力不足ですが、ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

    展示場の様子


喜恵